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銅という非鉄金属 [非鉄金属]

■ 銅という非鉄金属


銅(どう)。元素記号は Cuはラテン語の「cuprum」からきてます。さらにこのcuprumというのは、地中海に浮かぶキプロス島(kypros)で、この島から良質の銅が産出したことに由来するそうな。

胴の色は赤みがかった金属だと思われてますが、本来の色は赤橙。私たちが、目にしている色は空気中に曝されてせいで赤みが増した胴色なのです。古来、赤金とか銅(あかがね)と呼ばれてますが、本当はちょっと違うわけです。

銅は、柔らかくて加工がしやすい金属です。太古から自然銅として存在していて、最も初期の文明においても先史時代から使われてきたという、人類になじみの高い金属です。少なくとも1万年の歴史があるといわれいて、紀元前9000年の中東で利用されたのが初めてではないかと推測されてます。イラク北部でも紀元前8700年の銅のペンダントが出土してます。

日本でも江戸時代には精錬技術が発展していて、純度の高い銅を素銅(すあか)、不純物を多く含む銅を山銅(やまがね)と区別して使用してました。この時代の日本では、金を数パーセント混ぜた銅合金を赤銅(しゃくどう)と呼んでいたようです。

電気伝導度と熱電動も高い金属です。銀や金と共通した性質ですね。

電気の伝達率が高いことから、銅は電線の主金属です。
熱の伝導率もよいので、一部の鍋やラジエタの一部に使用されたりします。
優秀な金属なので、買い取り価格も高めです。
タグ:非鉄金属
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真鍮とは [一般的な種類と性質]

■ 真鍮とは

非鉄金属の中では、わりとよく取り扱われるのが真鍮です。
非情に身近な金属で、どれくらい身近かというと、五円硬貨の素材が真鍮です。シンクにある水道の蛇口のついてる根っこの部分もそうです。水を出したり止めたりする中継箇所で、長年使っても壊れない丈夫さ、水周りなので錆びにも強くなければいけません。なので、この部品の製品はほぼ100%砲金製です。

「銀色に光ってるけど?」

真鍮の色は黄色なのですが、流しの水道部分はぴかぴかな銀色をしてます。あれは、銀メッキが施された結果です。気になるなら鑢ででも削ってみてください。表面のすぐ下から銀とは異なる金属が顔をだすはずです。

同じく、水洗便所の給水管や便器給水の接続部分(スパッド)にも使われます。メッキ塗装されてるので銀色に反射してますが、本来のカラーは黄色です。仏具や多くの金管楽器などに多用されています。後述しますが、金管楽器のことをブラスバンドといいますよね。あの「ブラス」というのは、真鍮の英名が由来になってます。「だからなんだ」と言われても困りますが、トリビアとして覚えておいてください。

ところで、上記ほど身近ではないですが、紙幣の印刷機などの精密機械、理化学器械類や鉄道模型等の素材、弾薬の薬莢や金属模型なども真鍮が使われてます。とにかく、あらゆるところに広く使用されている金属ということです。


■ 真鍮の特性は?

真鍮は、黄銅(おうどう)とも呼ばれる黄色の金属で、英語名はブラス(brass)といいます。銅と亜鉛の合金であって分量によって色は変わるのですが、「黄銅」というのは、特に亜鉛が20%以上のものを言うようです。

適度な強度と展延性を持つ。つまり固いくせに延ばしやすい、扱いやすい合金として、約350年ほど前から広く利用されるようになった歴史のある金属です。青銅(砲金)のようがより古い金属ですが、純粋な真鍮を取り出す技術が未熟だったせいです。

面白いことに真鍮は、歴史のあちこちで登場する鉱物「オリハルコン」の正体の1つと見られているとか。現代のファンタジーに登場するオリハルコンは、鉄でも何でも易々と切り裂くようなとんでもなく硬質な正体不明の金属。正体が5円玉だと知ったら、世界のRPGファンはさぞかし嘆くことでしょう。


最も一般的な黄銅(真鍮)は、銅65%、亜鉛35%のものですが、銅と亜鉛の割合によって物性が変化します。JISにおいて「銅合金」として扱われていて、材料記号は頭文字Cで始まる4桁記号で表されます。

 C2600 七三黄銅(銅が約70%、亜鉛が約30%) 
  イエローブラスとも言います
 C2801 六四黄銅(銅が約60%、亜鉛が約40%)
   黄金色に近い黄色を示します
 C3604 快削黄銅(混合割合に幅があります)
  銅が57.0-61.0%、鉛が1.8-3.7%、鉄が0.50%以下、鉄+錫が1.0%以下、亜鉛は残部 
  鉛を添加して被削性を高めている黄銅です
 C3771 鍛造用黄銅(混合割合に幅があります)
  銅が57.0-61.0%、鉛が1.0-2.5%、鉄+錫が1.0%以下、亜鉛は残部
 C4600台 ネーバル(naval)
  耐海水性を高めるために錫(すず)を添加しでます。海軍黄銅とも言います 
 CAC201 黄銅鋳物1種


 黄銅の色ですが、一般的には、亜鉛の割合が多くなるほどに色が薄くなり、少なくなるほど赤みを帯びます。亜鉛の割合が増すごとに硬度を増していきますが、その分脆くもなっていきます。実際のとろは、45%以上では実用に耐えません。

どの黄銅も、展延性に優れていることから、冷間加工で使用されることが多くなってます。適度な硬さ。過度ではない展延性が加工の魅力です。旋盤やフライス盤などによる切削加工が容易であり、しかも価格もほどほど。

リサイクルの現場では水道部品としての回収が多いのですが、微細な切削加工に向いてることから、宝飾品としてもよく使われます。

タグ:黄銅 真鍮
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砲金とは、なんぞや? [一般的な種類と性質]

■ 砲金とは、なんぞや?


非鉄金属とは、鉄のあらざる金属のことです。

種類はまさに多岐に渡るのですが、よく知られているのは、アルミニウムやステンレスではないでしょうか?
恥ずかしい話しですが、私の知識はその程度でした。

でも実際「鉄以外」と言うからには、鉄・鉄鋼以外のすべてです。世の中で使用っされている総量や埋蔵量ではなく、「種類」なのですから、世の中の99以上の金属が該当することがわかります。ニッケルとか、亜鉛も、鉄ではないので非鉄金属。金や銀も非鉄金属です。

前書きはこれくらいにして、このページでは「砲金」について説明しましょう。
個人的にな間違いを最初に言っておきますが、私は「砲金」という文字から、金、つまりゴールドを包んで加工する仕事だと思ってました。近状に「○○砲金」という小さな加工会社があったので、勝手にそのような推測をしていたのです。

実際、砲金というのは、金属の種類のひとつにあたります。
銅と錫(すず)、または銅と錫と亜鉛との合金で、さびにくい性質をもってます。やや赤みのある金属ですが、胴と比べれば黄色に近い色合いをしてます。

鋳造・加工が容易なため、機械器具・日用品・工芸品などに広く用いられ、現代では優れた耐食性や強度などを持つことから、バルブや歯車などの機械部品などに鋳造品として多用されています。

もうひとつ。

胴の合金なのに、なぜ「砲金」と呼ばれるのか?
これは英語のGUNMETAL(ガンメタル)を和訳した影響と言われてます。古くから砲金は大砲をつくる材料として使われた歴史があります。ガンをつくる金属だから、ガンメタルなのです。

さらに面白いことに、砲金は青銅とも呼ばれてます。「ガンメタル」と呼ばれたころは、錫(Sn)の量は10%前後で、青みがかった色合いだったそうです。ドラクエなどのRPGに登場する「青銅武器」は初期のころに入手されることから、弱い武器と思われがりです。でも実際は大砲が作れるほど頑丈であって、青銅合金・青銅鋳物の差こそあれ、ある程度加工ができるくらいは融通の効く金属だったということです。

青銅合金とは少々異なる成分、材質を持つことになりますが、青銅としては、鋳造性のよさや耐圧性、耐食性が良好な材料です。表面の鋳肌も美しいという特徴を持ちます。


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